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☆じゃがべぇ~(^_-)-☆

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《5》伊野部の逃亡計画

《5》伊野部の「自身の殺害偽装による逃亡計画」

 伊野部は2月23日22時40分にアラームをセットしていました。
 
 アラーム音を携帯への着信であるかのようにして、客からの呼び出しを装って席を外しました。
 
 そして、それは協力者、榎田への逃亡計画のGOサインでもありました。
 
 伊野部が逃亡を決意したのは2月20日女王のプレート盗掘現場のWEBカメラ映像に伊野部自身も映ってしまい、もう逃げられないと思ったからです。
 
 その翌日には自身がガイドをしなければならないスープレックスクルーズの6日間の旅の出発地であるアスワンへ向かわなければならないというタイミングでした。
 
 6日間缶詰状態になるわけで伊野部はかなりあせってたと思います。
 
 これはもうクルーズ中に死んだ振りをして逃亡しようと思ったのは至極当然かも知れません。
 
 ただ突然に逃亡するため準備期間が1日しかなくて逃亡資金を調達できなかったのです。
 
 仕方なく、手元にあった金目の盗掘品をとりあえず逃亡資金にしようとトランクに詰め込みスープレックスクルーズへ乗船しました。
 
 そして榎田に報酬を払い逃亡計画を手伝ってもらうことを依頼しました。
 
 伊野部は榎田へトランクを二つ用意するように依頼しました。
 
 一つは伊野部自身が入る為の物、もう一つは盗掘品を入れる為の物でした。
 
 榎田は自身のトランクとは別に空のトランクを二つ用意するために、三重の入れ子構造にしてセント・ジョセフ号に持ち込んだと思われます。
 
 二重構造ぐらいだとマトリョーシカ人形を思いついたりしないけど、三重構造だとすぐにマトリョーシカ人形を連想できますね。
 
 もしかしたら昇平は伊野部のパソコンの中の情報から、伊野部の逃亡計画の内容を知り、小包の多重構造で暗に伊野部の計画のことを表現したのかも知れないです。
 
 伊野部がセント・ジョセフ号に持ち込むための盗掘品をどうやって持ち込んだのかは分からないけど、伊野部が一端エドフに陸揚げしたものを榎田が小分けにしてセント・ジョセフ号に持ち込んだんじゃないかと思います。
 
 スープレックスクルーズの伊野部の部屋からセント・ジョセフ号の榎田の部屋を何度も往復するのは無理かも知れないし、出来たとしても怪し過ぎると思います。
 
 いずれにしてもセント・ジョセフ号がエドフに到着するのは夕刻で18:00にはエドフに下船出来るのだから、ベリーダンスショーに招待された21:30までには充分の時間があります。
 
 伊野部のスープレックスクルーズの部屋の仕掛けは伊野部自身があらかた完成させておいたけど階段脇に飾ってある大きな花瓶を部屋の窓からぶら下げる事だけは一人では手に余るために榎田に手伝ってもらう計画でした。
 
 その後、屋上デッキからセント・ジョセフ号へ乗り移り榎田の部屋に身を潜めるつもりでした。
 
 伊野部のカードキーの指紋がふき取られていたのは、単に指紋から伊野部吾郎が磯貝治夫であることがばれるのを防ぐためでしょう。
 
 ですから伊野部は逃亡前の指紋は出来うる限り消してから旅立ったと思われます。
 
 マリカに電話を掛けて窓にぶら下げた花瓶を落下させるのはエスナの水門を過ぎた直後でした。
 
 エスナの水門を過ぎてからナイル川に落下したとすれば死体が上がらなくても地中海まで流れてしまったとも考えられるだろうから逃亡計画として具合が良かったのです。
 
 髑髏のイラストが書いてあった地図はエスナ付近というぐらいしか分からない大まかなものだったですから。
 
 最後の仕上げは、ポーターによってアスワンに陸揚げされたトランク二つを変装した榎田が取りに行き榎田は成功報酬を受け取り伊野部は逃亡するって計画でした。
 
 榎田の裏切りを防ぐために伊野部はアスワンにて銀行より現金を引き出し支払うと言っていたのでしょう。

(2009年3月2日更新)


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